魂を削る歌声が鳴り響く夜――川島ケイジがメジャー10周年で見せた「生身の音楽」の極致
アニバーサリーイヤーとなる2026年、彼の活動はさらにギアを上げている。フルオーケストラとの緊張感あふれる競演から、一本のアコースティックギターだけで全国の小規模なスペースを巡る濃密なツアーまで、表現の振り幅は過去最大だ。大規模な演出に頼らずとも、声一本で空間を支配できる確信があるからこその挑戦といえる。
現在制作が進められている新作音源においても、過度なピッチ補正や波形編集を排し、スタジオの一発録音に近い生々しいテイクが採用されているという。効率と均質化が尊ばれる時代において、かすれやブレスの乱れといった「不完全な美」を肯定するそのアプローチは、彼なりの現代音楽シーンに対する痛烈なステートメントに他ならない。