大東建託創業者・多田勝美の全貌|総資産数千億と退任の真相に迫る
一代で大東建託を築き上げたカリスマ経営者・多田勝美氏ですが、その経営トップからの退任劇は当時の経済界に大きな衝撃を与えました。多田氏は2004年に社長職を退いて代表取締役会長に就任し、その後も実質的な最高権力者として君臨していましたが、2011年10月に取締役会長を電撃退任し、名誉会長へと退きました。
退任の背景には、いくつかの構造的な転換点が存在していました。一つは、かつて模索されたMBO(経営陣による自社買収)の断念と、それに伴うファンドへの株式売却などを巡る混乱の収束です。もう一つは、創業者個人のカリスマ性に依存する体制から、近代的な上場企業としてのコーポレートガバナンス(企業統治)の確立へと舵を切る必要性でした。
多田氏の退任以降、大東建託は三鍋伊佐雄氏、熊切直美氏、小林克満氏、そして竹内啓氏へとプロパー出身の実力派経営者たちへバトンが受け継がれました。強力な創業者の手から組織的な集団指導体制へと円滑に移行したことで、同社は創業者の影を乗り越え、更なる企業規模の拡大に成功しています。