空気感染と飛沫感染の決定的な違いとは?マスクと換気の新常識を解説
感染対策を講じる際、多くの人が頼りにするのがマスクだが、素材と構造によって遮断できる対象は劇的に変化する。日常で広く使われる一般的な不織布マスクは、静電気を帯びたフィルター層によって咳やくしゃみなどの飛沫(5μm以上)を90%以上カットする高い捕集性能を誇る。他者への飛沫拡散防止や、近距離からの直撃防御には絶大な効果を発揮する。
しかし、麻疹や結核のような空気中を浮遊する0.3〜5μm未満の飛沫核を相手にする場合、一般的な不織布マスクでは顔との間に生じる「隙間(漏れ率)」から微粒子が容易に吸い込まれてしまう。ここで医療機関などのハイリスク空間で必須となるのがN95マスクだ。
N95規格は、0.3μmの微粒子を95%以上捕集できる極めて密度の高い特殊フィルターを備え、何より顔面に完全に密着(フィット)するカップ型・立体形状で作られている。装着時には「フィットテスト」と呼ばれる密閉性確認が義務付けられるほどだ。日常生活の外出や通勤であれば高品質な不織布マスクで十分な防御効果を得られるが、真の空気感染症が疑われる医療現場ではN95マスクの着用が鉄則となる。