岸和田だんじり祭りの死亡事故と過去事例|死者数とやりまわしの危険性
岸和田だんじり祭りの代名詞ともいえるのが、交差点などを速度を落とさずに直角に曲がる「やりまわし」です。この技術は、前方を走る「青年団」の強靭な曳力、だんじりの前輪に木の梃子(てこ)を差し込んで進行方向を強引に変える「前梃子(まえてこ)」、後方から舵を取る「後梃子(うしろてこ)」、そして屋根の上で指示を出す「大工方(だいくがた)」の息が完全に一致して初めて成立します。
しかし、わずか数ミリ秒のタイミングのズレや路面のコンディション、遠心力の計算違いによって、時速数十キロで走る約4トンの木造車体が制御不能な凶器へと変貌します。カーブを曲がりきれずに民家や電柱へ激突したり、横転して曳き手を下敷きにしたりする事故は、この極限の力学バランスが崩れた瞬間に発生します。
特に前梃子を担当するポジションは、疾走するだんじりの車輪の直前という極めて危険な位置で作業を行うため、転倒すれば即座に轢過(れっか)事故につながる高いリスクを常に背負っています。