映画『四月になれば彼女は』なぜ失踪?原作との違いと結末の真相を徹底考察
結婚式を間近に控えたある日、長澤まさみ演じる坂本弥生は、同棲していた精神科医・藤代俊(佐藤健)の前から忽然と姿を消します。彼女が残したのは「愛を終わらせない方法は、手に入れないこと」という、あまりにも印象的で痛烈な一言でした。
弥生が失踪に至った背景には、日常の安定と引き換えに薄れていく「藤代からの情熱的な愛情」に対する深い孤独と虚無感がありました。二人の関係は穏やかであるものの、かつて藤代が大学時代の恋人・春(森七菜)に向けていたような、狂おしいほどの熱量を自分に向けていないのではないかという違和感を、弥生は敏感に感じ取っていたのです。
決定的だったのは、藤代宛てに届いていた春からの手紙を偶然目にしてしまったことでした。さらに弥生は独自に春の居場所を突き止め、春が重い病に侵され余命わずかである事実を知ります。過去に縛られ感情を麻痺させている藤代を揺さぶり、彼自身が「失いたくない本当の感情」と向き合うきっかけを作るため、弥生は自ら身を引くという過酷な決断を下しました。