愛憎と本音を穿つ!内館牧子ドラマの名作ラインナップ徹底解剖
稀代の脚本家として確固たる地位を築いた内館牧子。彼女が書き下ろす物語の特徴は、観る者の「見たくないけれど目を離せない」という原始的な欲望を刺激する点にある。1980年代後半から日本のテレビドラマ業界に本格進出し、それまでのトレンディドラマとは一線を画す、人間の生々しい感情の泥沼を描き出し続けた。
彼女の描く登場人物たちは、決して綺麗な善人ばかりではない。自己保身、嫉妬、執着といった人間の業を抱え、もがき苦しむ。そのリアルな心理描写が「毒」として作品全体を支配しつつも、どこか人間味のある滑稽さとして共感を呼ぶのだ。表表面的な綺麗事で終わらせない辛口なリアリズムこそ、内館脚本が長年愛される最大の理由と言える。