毒もエリマキも嘘?ディロフォサウルスの真実と最新研究で見えた素顔
この特異な恐竜の歴史は、1942年の夏、アメリカ・アリゾナ州北部のナバホ居留地におけるディロフォサウルスの化石発見から幕を開けました。カリフォルニア大学古生物博物館の調査隊を率いた古生物学者サミュエル・ウェルズは、保存状態の良い骨格標本を発掘します。
発見当初、頭骨の上部が風化によって破損していたためトサカの存在に気付かれず、既存の肉食恐竜である「メガロサウルスの一種(メガロサウルス・ウェザリリ)」として仮分類されていました。
風向きが変わったのは1964年のことです。同じ地層(カエンタ累層)から頭骨のトサカが綺麗に残った別の個体が発見され、ウェルズは1970年に新属として「ディロフォサウルス」を正式に提唱しました。その後の追加発掘と2026年代に至る再分析によって、原始的なテタヌラ類に近い特徴を持つ極めて重要な初期獣脚類であることが裏付けられています。