金原ひとみ『アタラクシア』の結末と相関図!男女6人の愛憎を徹底解説

金原ひとみ『アタラクシア』の結末と相関図!男女6人の愛憎を徹底解説の全貌を分かりやすくまとめてご紹介します。

タイトルの「アタラクシア(ataraxia)」とは、古代ギリシャ哲学(エピクロス派や懐疑派)で用いられる概念で、「心の平静」「情熱の動揺や苦痛から解放された不動の境地」を意味します。欲望や不安に振り回されることなく、平穏な心を保つことこそが最高の幸福であるとする考え方です。

しかし、本作に登場する男女は、その「アタラクシア」とは真逆の荒波の中に身を投じています。結婚生活の安定や社会的な体面を手に入れたはずの大人たちが、なぜ自ら泥沼の愛憎や破壊的な情動へと突き進んでしまうのか。平穏を希求しながらも、嵐のような感情にしか生の実感を抱けない人間の業(ごう)を描き出すために、この逆説的なタイトルが冠されています。

作中でも「何が本当の心の平穏なのか」が幾重にも問い直されており、タイトルの意味を念頭に置いて読み進めることで、物語のテーマ性がより一層鮮明に浮かび上がってきます。

斉藤 蓮

斉藤 蓮

デジタルマーケティングコンサルタント

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。