Have ToとMustの違いとは?主観と客観の差や否定形の罠を解析
日系グローバル企業の海外拠点や外資系コンサルティングファームの現場を取材すると、日本人が良かれと思って放った「must」が原因で生じたコミュニケーション摩擦の証言が後を絶ちません。
「海外オフィスの同僚に業務依頼のメールを送る際、『You must submit the report by Friday.』と送信してしまい、相手のローカルマネージャーから『なぜ君から一方的に命令されなければならないのか』と強い抗議を受けた事例がありました。本人は単に『金曜日までに提出する必要があります』と事務的に伝えたかっただけだったのですが、相手には上から目線の高圧的な命令として届いてしまったのです」(大手外資系IT企業 シニアディレクター)
また、年間2万人以上の受講生データを分析するTOEIC 英文法対策の専門講師も次のように警鐘を鳴らします。「TOEIC Part 5やPart 6の文脈判定において、社内規定や業務マニュアルの文章では客観的な義務を示すhave toや、あるいは公的な公式文書としての三人称主語に伴うmustが問われます。しかしPart 7のビジネスレターやメールの文脈で同僚や顧客に対して『You must』と呼びかける文章は、契約書や重大な利用規約の警告文を除いてほとんど登場しません。この『語感の温度差』を理解していないと、読解問題のトーン把握で選択肢を誤る原因になります」。