もう硬くならない!スルメイカ絶品レシピと極上に仕上げるプロの裏技
イカを加熱すると急速に硬くなる最大の理由は、筋肉の繊維構造にあります。魚の筋肉が横方向に並んでいるのに対し、スルメイカの筋肉は胴体をぐるりと囲むように円周方向(横方向)と厚み方向(縦方向)の多層構造を形成しています。この特殊な繊維が60℃〜70℃の温度帯で一気に収縮し、水分を外に絞り出してしまうため、パサついて硬い食感に変わるのです。
スルメイカを柔らかく仕上げる調理法は、物理的に「短時間で仕上げる」か「じっくり煮込む」かの2択しかありません。炒め物や焼き物は1〜2分以内の強火で素早く火を通し、煮込み料理は20分以上加熱してコラーゲン組織をゼラチン化させることが基本原則となります。
また、味と食感を決定づけるのが手早い下処理です。胴体の中に指を入れ、背骨(軟骨)と内臓の結合部を優しく外しながら引き抜きます。目の下を切り落としてくちばし(カラスビト)を取り除き、足の吸盤に付いている硬い角質環は包丁の背でしごいて洗い流すのがポイントです。この丁寧なさばき方を徹底するだけで、特有の生臭さが完全に消え、調味料の馴染みが飛躍的に向上します。