千葉で激増するキョン駆除の真相|なぜ捕獲難航?報奨金と2026年最新動向
行政が巨額の予算を投じ、捕獲頭数そのものは年々過去最高を更新しているにもかかわらず、生息数が右肩上がりに増え続ける背景には、キョン特有の生態と日本の里山環境が絡み合った3つの決定的な理由が存在します。
第1の理由は、「銃猟の難しさ」です。キョンは成獣でも体高40〜50cm程度、体重10〜15kgと中型犬ほどの極めて小柄な体躯をしています。さらに密生したアズマネザサなどの深い薮の中を巧みに移動するため、ハンターが肉眼で捉えること自体が極めて困難です。人家に近い里山や耕作放棄地に潜伏することが多く、安全確保の観点から銃を撃てるシチュエーションが大幅に制限されます。
第2の理由は、「従来の罠が通用しにくい構造」にあります。日本の里山でシカやイノシシ用に使われてきた標準的なくくり罠では、キョンの細い足がすり抜けてしまったり、逆にタヌキやアナグマなどの在来動物が誤ってかかる錯誤捕獲が多発したりします。キョン専用の小型くくり罠や踏み板の調整が不可欠ですが、警戒心の強いキョンを誘引するには高度な技術とノウハウが求められます。
第3の理由は、「捕獲後の搬出・処理にかかる労力」です。泥だらけの急斜面や鬱蒼とした薮の中から1頭ずつ回収し、所定の処理施設や埋却地まで運ぶ作業は肉体的に過酷を極めます。狩猟者の高齢化が進む地域において、1頭数百キロのイノシシと同等以上の手間がかかる小動物の捕獲は、現場の負担を急激に増大させています。