石田屋の入手困難な真相とは?幻の日本酒と上板橋の名菓を徹底解剖
編集部が現地調査および愛好家の実体験を追跡したところ、ネット上の華やかな評判の裏には、過酷な待機時間や購入制限といった現実がありました。
上板橋「石田屋」:朝8時台の冷気と整理券配布の現場
東武東上線・上板橋駅南口を出てすぐのアーケード街。午前9時の開店を前に、平日は朝8時過ぎ、週末や祝日ともなると朝7時台半ばから列ができ始めます。現場に並ぶ常連客の一人は次のように語ります。
「冬場の朝並びは足元から冷え込みますが、それでも午前8時30分頃に配られる整理券(混雑状況に応じた番号札)を受け取らなければ、名物の栗どら焼きにはまずありつけません。朝9時30分を過ぎてから来店しても『本日分は完売いたしました』の看板が出ているのが当たり前です」(板橋区在住・50代男性)
店内で購入できる数量にも「1人あたり何個まで」という個数制限(通常1人10個〜15個程度、時期や日により変動)が敷かれており、買い占めを防ぐ配慮がなされています。また、どら焼き以外の「ひと口栗大福」や洋菓子(ロールケーキ等)も名品揃いですが、栗どら焼きの売り切れ時間は早い日で午前中、遅くとも昼過ぎには棚が空になるのが通例です。
黒龍「石田屋」:特約店の信頼関係と抽選販売の壁
一方、日本酒の石田屋を求めて酒販店を訪ね歩くファンからは、別の種類の苦労が聞こえてきます。
「毎年11月の発売時期になると、黒龍の特約店に問い合わせが殺到します。しかし、どこの有力酒販店でも一般の飛び込み客に店頭でそのまま売ることはほぼありません。多くは『会員制のポイント抽選』か『年間の購入履歴がある顧客への優先案内』です。転売ヤーを排除し、本当に愛飲してくれる顧客へ定価で届けようとする酒販店の苦渋の防衛策でもあります」(地酒コレクター・40代男性)
SNS上では「10店舗の特約店抽選に応募して全滅した」「定価1万円台の酒にこれほど運を試されるとは」といった落選の嘆きが毎年11月から12月にかけて大量にポストされます。この異常な倍率こそが、石田屋の伝説性をさらに押し上げているのです。