美瑛クリスマスツリーの木|冬の絶景と知られざる立ち入り規制の真相
美瑛の美しい木々を語る上で、決して風化させてはならない過去の事件がある。2016年4月、同じく美瑛の丘で世界中のファンに親しまれていた名木「哲学の木」が、土地所有者の手によって突如重機で伐採・倒木された事例だ。この衝撃的な決断は、当時国内外のメディアで大きく報道された。
クリスマスツリーの木の伐採危機と理由を掘り下げると、哲学の木が迎えた悲劇と全く同じ構造的欠陥が浮かび上がる。当時、哲学の木の所有農家は、度重なる畑への不法侵入、夜間の無断侵入、ゴミのポイ捨て、さらには注意した農家に対する心ない暴言に長年苦しめられていた。自らの生活の糧である大地を蹂躙され、精神的に追い詰められた末の苦渋の選択が「自らの木を切り倒す」という手段だったのだ。
美瑛町関係者の証言によると、クリスマスツリーの木を管理する農家もまた、同様の精神的ストレスと実害を被り続けている。美しい一本木は、観光客にとっては風光明媚な被写体に過ぎないが、農家にとっては広大な農作業を阻害する障害物という側面すら持ち合わせている。私有財産である木を保全し続けるための動機が、観光客の利己的な行動によってすり減らされれば、いつの日か突如としてチェーンソーの音が響き渡る日が来ても何ら不思議ではない。