常滑・土どろんこ館の光る泥だんご!予約殺到の真相と大人がハマる理由
体験会場となる「土・どろんこ館」のワークショップルームに足を踏み入れると、まず耳に飛び込んでくるのは静寂です。家族連れやカップル、一人旅の参加者が並んでいるにもかかわらず、私語は驚くほど少なく、時折、シュッ、シュッと陶器のへらやガラスカップの縁が擦れ合う微細な摩擦音だけが響いています。参加者の視線は、手のひらに載った直径数センチの球体に一点集中しています。
「最初は子どもの付き添いのつもりでした。しかし、球体のわずかな歪みを削り、色泥を指先で塗り重ねていくうちに、仕事の悩みもスマートフォンの通知もすべて頭から消え去っていたんです」
現場取材で話を聞いた30代の会社員男性は、真剣な面持ちでそう語りました。このワークショップで提供される泥だんごは、公園の砂場でつくるそれとは根本から異なります。ベースとなる球体には、常滑のやきものに使われる良質な陶土があらかじめ適度な水分量と硬さで整えられており、参加者は金属製の器具を使って真球へと削り出す工程から挑みます。
次に、天然鉱物を配合した鮮やかな「化粧泥(色泥)」を手掌に取り、指先で均一に薄く塗り広げていきます。赤、青、緑、黄といった多彩な色彩をグラデーション状に重ね合わせることで、地球や惑星のような唯一無二の文様が浮かび上がります。
そして最大の見せ場が「磨き」のプロセスです。ガラス瓶の口やプラスチック製の専用ツールを使い、表面を一定の角度と力加減でリズミカルに擦り続けます。ワックスやコーティング剤などの化学塗料は一切使用しません。土の微細な粒子が圧力を受けて平滑に並び替わることで、光が乱反射から正反射へと変化し、漆器や大理石のような深みのある光沢を放ち始めます。自分の手の熱と摩擦によって土が宝石のような輝きを放つ瞬間、大人たちは言葉を失うほどの達成感に包まれます。