空中で機体が切断された日:向田邦子の悲劇から45年、「遠東航空103便」が現代の空に残した目に見えぬ傷痕
この事故は、航空機メーカーや各国の航空行政に対して極めて重い警告を発することとなった。それまでの航空機整備は、外観の傷や目視できる変形を中心にチェックする体制が主流だったが、機体内部の隠れた腐食がこれほど重大な構造破壊を招くことは、業界全体にとって痛烈な教訓となった。
遠東航空103便の犠牲を経て、世界的な老朽機管理プログラム(Corrosion Prevention and Control Program: CPCP)の導入が急ピッチで進められた。機体の「年齢」や「飛行回数」だけでなく、塩害地域での運用履歴や過酷な環境下での貨物輸送リスクまでも考慮した検査制度が確立されるきっかけとなったのである。