剪定の癒合剤は身近な物で代用可能?木工用ボンドやワセリンのリスクと失敗しない選び方
「自然界の樹木は癒合剤なしでも生きているのだから、庭木も塗らなくて大丈夫ではないか」という疑問を持つ方も少なくありません。しかし、人の手で切断する剪定は、樹木にとって大きな外科手術と同じです。
庭木の剪定で癒合剤を塗布しない場合、樹体内では以下のような深刻なプロセスが進行します。
- 形成層の急激な乾燥と枯れ込み:切り口の樹皮(形成層)が外気に触れてカラカラに乾くと、傷口を塞ぐ肉巻き(カルス)が作られなくなり、切り口から数センチ下まで枝が枯れ下がります。
- 木材腐朽菌の侵入と幹の空洞化:雨水とともに空気中の木材腐朽菌が付着すると、木質部のセルロースやリグニンが分解され、年月をかけて幹の内部がスポンジ状にボロボロになっていきます。
- 害虫の産卵と食害:傷口から漏れ出す樹液の匂いに引き寄せられ、カミキリムシやコウモリガなどの幼虫が樹幹内部に侵入し、樹木を根本から倒木危機に追いやります。
特にサクラ、ウメ、モモなどのバラ科植物や、カエデ、ブナなどの落葉広葉樹は腐朽菌に対する抵抗力が弱く、「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という言葉がある通り、サクラの剪定傷を放置すると高確率で枝枯れを起こします。