東京駅丸の内駅舎の歴史と見どころ|辰野金吾の意図とドームの謎を解剖

東京駅丸の内駅舎の歴史と見どころ|辰野金吾の意図とドームの謎を解剖の概要と注目ポイントをわかりやすく整理しました。

東京駅丸の内駅舎を訪れた際、誰もが足を止めて見上げるのが南北の八角形ドーム天井です。地上約28メートルの高さに広がるドーム空間には、創建当時の意匠を精密に蘇らせた石膏彫刻やレリーフが所狭しと配置されています。見上げる者を圧倒するこの空間には、辰野金吾の遊び心と緻密な意図が込められていました。

ドームの八隅を見上げると、そこには十二支のうち「丑(北東)」「寅(東)」「卯(東)」「辰(南東)」「巳(南東)」「午(南)」「未(南西)」「申(南西)」という8匹の干支が、方角に合わせてレリーフとして鎮座しています。しかし、ここで一つの疑問が浮上します。「なぜ十二支のうち4つ(子・卯・午・酉、あるいは子・酉・戌・亥)が足りないのか」という点です。

装飾部位モチーフ・意匠歴史的意味・象徴鑑賞時のチェックポイント八角形コーナー8種類の干支(丑・寅・辰・巳・未・申・戌・亥などの方位配置)方位を示す羅針盤(欠けた4つは武雄温泉に配置)黄銅色の円盤内に躍動感ある動物彫刻ドーム壁面大鷲(羽を広げた約2.1mの雄姿)国家の飛翔、力強さと守護の象徴八角形の各コーナー上部に計8羽が配置中央アーチ周辺鳳凰・動輪・剣・勾玉のレリーフ日本神話の三種の神器と鉄道の象徴西洋建築の中に潜む純和風の精神性ドーム基部クレマチス(鉄線)の花飾り花言葉「旅人の喜び」「固い絆」薄緑色の優美なアーチ装飾帯

長年、謎とされていた「残る4つの干支(子・卯・午・酉)」の所在ですが、2013年の調査によって驚くべき事実が判明しました。辰野金吾の故郷である佐賀県武雄市の「武雄温泉楼門」(1915年完成・国指定重要文化財)の2階天井に、東京駅に存在しなかった「子(北)」「卯(東)」「午(南)」「酉(西)」の4干支が木彫りで彫られていたのです。東西約1,000キロ離れた2つの近代建築を合わせることで、初めて完全な「十二支」が揃うという仕掛けは、建築界のみならず歴史愛好家の間でも大きな話題を呼びました。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。