標高5000メートルに佇む「虚無」のまなざし――チベットスナギツネのシュールな表情に潜む、極限生存のリアリティ【2026年最前線報告】
近年のフィールドワークで大きな関心を集めているのが、チベットヒグマとの不思議な相互関係だ。本来、巨大なヒグマはキツネにとって危険な捕食者にもなり得る。しかし、2026年に公開された高解像度映像には、両者が一定の距離を保ちながら同時に狩りを行う姿が記録されていた。
ヒグマが強力な爪でピカの巣穴を豪快に掘り返す際、パニックに陥ったピカが別の出口から飛び出してくる。その逃げ道を先回りして待ち構えるのが彼らの役割だ。巨体を持つヒグマの破壊力を計算に入れておこぼれを狙う。そのしたたかさは、「無の境地」どころか極めて抜け目のない知恵の現れと言えるだろう。