Happy Birthday to Youの意味は?歌詞の直訳と歴史の真相
かつてのアメリカ映画やテレビドラマで、誕生日パーティーの場面なのにこの有名なメロディではなく別の曲が流れていた記憶を持つ人もいるはずです。その背景には、年間約200万ドル(約3億円)もの莫大なロイヤリティを生み出していた過酷な著作権ビジネスが存在していました。
1935年にヒル姉妹の出版契約を引き継いだ音楽出版社(後に大手音楽レーベルであるワーナー・チャペル社が買収)が著作権を主張し、映画や公共放送、商用イベントで楽曲を歌う際には高額な使用料を徴収し続けていました。レストランの店員がオリジナルのバースデーソングを歌っていたのも、著作権侵害の請求を回避するための防衛策だったのです。
事態が大きく動いたのは2013年、この曲に関するドキュメンタリー映画を製作していた映画監督ジェニファー・ネルソン氏らが「歌詞の著作権主張は不当である」としてワーナー社を相手取り集団訴訟を起こしたことでした。
歴史的な資料を綿密に洗った裁判の末、2015年9月に米連邦地方裁判所は「ワーナー側が保有しているのはピアノ用編曲などの権利に過ぎず、歌詞そのものの有効な著作権は保持していない」という歴史的判決を下しました。翌2016年に正式な和解が成立し、楽曲はパブリックドメイン(公有財産)となったことが確定しました。現在では、映画や商用イベント、動画配信などあらゆる場面で誰もが許諾なしで自由に歌えるようになっています。