引きこもり40年の壮絶な現実――親亡き後の生活費と9060問題の真実

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世間からは「単なる甘えや怠慢ではないか」という無理解な視線が向けられがちですが、当事者が部屋から出られなくなった背景には、個人の力だけでは抗えない複合的な要因が存在します。

第一に挙げられるのが、初期体験における重篤な心理的挫折です。学校での激しいいじめ、受験や就職活動での失敗、職場で受けた過度なパワーハラスメントなどによって自己肯定感が完全に粉砕され、他者や社会全体に対する強い恐怖心が固定化してしまいます。

第二に、家族関係の共依存と「世間体」の壁です。昭和から平成初期にかけては「家に引きこもりがいることを近所に知られたくない」という恥の意識が強く、親が外部への相談を躊躇し、子を隠すように生活費を与え続けたことが結果として長期化を招きました。

第三に、長期のブランクによる社会復帰への絶望感です。無職期間が10年、20年と積み重なるにつれて、「履歴書の空白をどう説明すればいいのか」「自分のような高齢無職を雇う場所などない」という諦念が深まり、時間とともに脱出のハードルが天文学的な高さへと跳ね上がっていきました。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。