2026年春、熊本市プレミアム商品券を巡る「不公平」の波紋:抽選落選者と高齢者の怒り、大型店偏重の構造的課題に迫る
行政のデジタルシフトが進む2026年、今回の商品券事業でもスマホアプリを使った「デジタル券」が発行全体の8割以上を占めた。紙媒体の発行冊数はごくわずかに絞られ、申込手続きも指定ウェブサイトからのオンライン申請が基本とされた。
この「デジタル最優先」の設計が、スマホの操作に慣れていない高齢者層を置き去りにした。市内の各区役所や地域コミュニティセンターに設けられた特設サポート窓口には連日長蛇の列ができたものの、複雑な本人確認やオンライン枠の即時完売に阻まれ、手続きを諦めて帰宅する高齢者の姿が目立った。
熊本市東区で暮らす78歳の男性は落胆を隠さない。「ガラケーしか持っていない自分には最初の画面を開くことすら不可能だった。市役所で相談しても『家族に代わりにやってもらってください』と言われるだけ。頼れる家族がいない高齢者は、最初から支援を受ける権利すら奪われているように感じる」。便利さを追求したデジタル化が、最も支援を必要とする弱者を排除するという逆説的な状況を作り出している。