六根清浄とは?どっこいしょの語源とアニメで話題の真相を徹底解剖

六根清浄とは?どっこいしょの語源とアニメで話題の真相を徹底解剖についての疑問解決ガイドをご紹介します。

重労働の際や腰を上げるときに発する「どっこいしょ」という掛け声。この日常語の起源を民俗資料や国文学研究から紐解くと、江戸時代に爆発的なブームを巻き起こした山岳信仰「富士講(ふじこう)」に行き着きます。

修験道の山伏や富士山に登拝する白装束の道者たちは、険しい岩肌を登りながら、呼吸を整え雑念を振り払うために声を揃えて「六根清浄、お山は晴天(ろっこんしょうじょう、おやまはせいてん)」と連呼していました。過酷な登山の中で意識が朦朧とする中、リズムを刻んで発声し続けることで、身体疲労を克服する一種のトランス状態を形成していたのです。

この「ろっこんしょうじょう」という早口のフレーズが、長い年月をかけて民衆の生活へと浸透する過程で以下のように音変化を遂げました。

「ろっこんしょうじょう」
↓(山登りの荒い呼吸に伴う音の脱落)
「どっこいしょう」
↓(日常の動作を促す掛け声へ定着)
「どっこいしょ」

民俗学者の折口信夫らの研究でも指摘されている通り、過酷な宗教的苦行で発せられた神聖な言霊が、世俗化して一般庶民の「重い身体を持ち上げる呪文」へと転生した稀有な事例です。つまり、現代の私たちが腰を上げるときに口にする「どっこいしょ」は、知らず知らずのうちに千年前の山岳修験者と同じ浄化の掛け声を再現していることになります。

田中 結衣

田中 結衣

デジタルマーケティングコンサルタント

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。