心電図で房室接合部調律と出たら危険?原因と精密検査の基準を解説
インターネット上の相談掲示板やSNS上には、健診結果を手にした受診者の切実な声が溢れています。
「毎年オールAだったのに、40代になって突然『房室接合部調律・要精密検査』の通知が届いた。自覚症状は全くないのに本当に病院へ行くべきなのか?」
「階段を上るときに少し息苦しさを感じていたが、単なる運動不足だと思っていたら脈拍が38まで落ちていた」
こうした声の通り、この疾患の最も厄介な点は「自覚症状の乏しさ」にあります。房室接合部が刻む脈拍は、安静時であれば脳や全身の臓器に必要な血流をギリギリ保てる40〜50回/分前後を維持することが多いため、本人が異常に気づかないまま日常生活を送り続けてしまうのです。
東京都内の循環器専門病院で不整脈外来を担当する医師のカルテデータを取材すると、健診で要精査と判定された患者のうち、約20%は迷走神経の亢進による一時的な良性変化であることが分かります。しかし、残りの約80%には軽微から重度までの心臓伝導路の機能低下が認められ、そのうちの1割強が後述するペースメーカー治療の適応基準に達しています。
特に注意が必要なのは、心拍数低下とめまい息切れの症状が重なる瞬間です。自覚症状がないからと放置しているうちに、ふとした立ち上がり時に目の前が真っ暗になる「眼前暗黒感」に襲われたり、自動車の運転中や入浴中に意識を失って大事故に直結したりした搬送事例が報告されています。「症状がない=病気が軽い」という図式は、心臓の不整脈においては完全に誤りです。