ガラケーのアンテナから2026年のストリーミングへ――なぜ今、あの切なすぎる受話器の向こう側が令和の夜を震わせるのか
近年の青山テルマといえば、飾らないキャラクターと抜群のトーク力で、メディアの第一線を走り続けるタレントとしての印象が強いかもしれない。底抜けに明るく、親しみやすい彼女のパブリックイメージは多くの人に愛されている。
しかし、ひとたびマイクを握れば空気は一変する。幼少期からゴスペルに親しみ、自らのルーツに裏打ちされたボーカルワークは、小手先のテクニックを超えた説得力を持つ。軽やかなポップセンスの奥底に横たわる、ブラックミュージックへの深い敬意と鍛錬。そのギャップこそが、彼女の歌声を一発屋のヒットソングで終わらせず、スタンダードナンバーへと押し上げた原動力だ。