ムカデとヤスデの違いを見分ける!毒性と足の本数・最新対策を解説
屋内で多足類に遭遇した際、パニックにならず瞬時に危険度を判別するための基準は、実はわずか数点の外見的特徴に集約されます。生物学上の分類において、ムカデは「唇脚綱(しんきゃくこう)」、ヤスデは「倍脚綱(ばいきゃくこう)」に属しており、進化の系統からして別の生き物です。
最大の見分け方は、足の本数と体節の構造にあります。ムカデの胴体は平平としており、1つの体節から左右に「1対(2本)」の足が生えています。全体の足の数は種によって異なりますが、国内で住宅侵入被害が多いトビズムカデやアオズムカデでは概ね21対(42本)または23対(46本)です。一方のヤスデは断面が円筒形に近く、頭部付近を除くほぼ全ての体節から左右に「2対(4本)」の足が生えています。この構造差により、ヤスデ全体の足の数は数十から200本以上にも達します。
また、外見的な刺激への反応と移動速度も明確な識別サインとなります。ムカデは肉食性のハンターであるため、獲物を追う際や外敵から逃れる際に蛇のように身をくねらせながら猛スピードで走ります。刺激を与えると頭部をもたげて毒牙を剥き出しにし、積極的に噛みつこうとする攻撃性を見せます。これに対し、ヤスデの動きは極めて緩慢です。歩行時は無数の足が波打つように前後に連動し、危険を感じると危険を避けるためにダンゴムシのように体を渦巻状に丸める防御姿勢をとります。立ち止まって丸まった個体は、ほぼ例外なくヤスデと判断できます。
さらに、多くの人が混同しやすい「ゲジゲジ(蚰蜒)」との差異も把握しておく必要があります。ゲジゲジはムカデと同じ唇脚綱に属しますが、足が極めて長く、クモのように細長いプロポーションを持っています。体長に比して足が際立って長く、驚異的なスピードで壁面を走る姿は強い嫌悪感を抱かせますが、性質は極めて臆病で人間を咬むことは滅多にありません。屋内のゴキブリやダニを捕食してくれる典型的な衛生上の「益虫」としての側面が強く、ムカデのような強烈な毒牙攻撃を行うことはありません。