政財界を侵食する甘い罠…中国ハニートラップの知られざる最新手口
かつて冷戦期のソ連が美女工作員を養成した実態を描いた映画『レッド・スパロー』の世界は、現代のデジタル空間において洗練された進化を遂げている。特に狙われているのが、サイバーセキュリティ・防衛産業に関わる技術者やエンジニアだ。
現在の手口は、LinkedInなどのビジネスSNSを通じたアプローチから始まることが多い。高額な報酬を提示するヘッドハンターや、魅力的なプロフィール写真を持つ同業者を装い、知的な親近感を演出してメッセージを送りつける。オンライン上で信頼関係を築き上げた後、国際学会への招待などを名目に海外へ誘い出し、リアルな接触へと移行するハイブリッド型の手法が主流となっている。
防衛産業の末端サプライヤーや委託開発企業は、大手企業に比べてセキュリティ意識の隙が生じやすい。個人のPCやスマートフォンへのマルウェア感染、プライベートな弱みの掌握など、デジタルと肉体の両面から包囲網が狭められていく。