なでしこの花言葉に隠された意外な影|秋の七草と現代園芸の真実

なでしこの花言葉に隠された意外な影|秋の七草と現代園芸の真実の主要なニュースを専門的かつ分かりやすくまとめました。最新トレンドを一目で把握できます。

園芸店やホームセンターの店頭で最も多くの消費者が混乱するのが、「なでしこ」と「ダイアンサス」の呼び分け、そしてダイアンサス違いの実態です。植物分類学上、なでしこ科ナデシコ属の植物は約300種存在し、その学名がすべてDianthusです。世界的園芸ブランドのサントリーフラワーズや、NHK出版『みんなの趣味の園芸』の植物図鑑の解説によると、母の日の定番である「カーネーション(Dianthus caryophyllus)」も分類上はナデシコ属の直系です。しかし園芸流通の現場では、カーネーションを除いたナデシコ属の総称を「ダイアンサス」と呼び、その中で日本原産種や古典品種を慣用的に「なでしこ」と呼び分けるという実務上の暗黙ルールが存在します。

もう一つの深刻な誤解が、なでしこ多年草一年草を巡る認識のズレです。市販の種子袋や苗のラベルに「一年草」と書かれているものを見て、「枯れたら終わり」と思い込んでいる園芸ビギナーが少なくありません。しかし植物学的には、原種のカワラナデシコやセキチク、宿根性のダイアンサスはすべて本来は多年草(宿根草)です。

なぜ一年草と表記されるのか。その真相は「日本の過酷な夏の高温多湿」にあります。冷涼な気候を好むなでしこは、耐寒性には極めて強い一方で、蒸し暑い梅雨から猛暑の時期に根腐れを起こしやすく、暖地では夏を越せずに枯死する事例が頻発します。このため、種苗メーカーは栽培の確実性を考慮し、「秋まき・春咲きの一年草扱い」として流通させているに過ぎません。適切な排水対策と夏前の切り戻しを行えば、数年にわたって大株へと仕立て直すことが可能です。

山田 真由

山田 真由

自動車・モビリティライター

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。