感染症から命を奪う敗血症の恐怖 見落としがちなサインと予防策
20世紀初頭にドイツの細菌学者ウーゴ・ショットミューラーがその病因論の基礎を提唱して以来、この病態に関する解明は大きく進んだ。しかし現在でも、世界の全死亡原因の約5分に1人を占めるほどの重大な脅威であり続けている。感染局所で留まるはずの炎症反応が血液を介して全身へ波及し、血圧低下や微小な血栓を多発させることで、必要な酸素や栄養が全身の細胞へ届かなくなるためだ。
その結果として引き起こされるのが多臓器不全症候群だ。腎臓、肝臓、肺、そして心臓が次々と機能を停止していく。一度この段階に突入すると、たとえ集中治療室で高度な全身管理を行ったとしても生存率は急激に低下する。これこそが、本病態の致死率が極めて高い最大の理由である。