『斉木楠雄のΨ難』神谷浩史が語る配役秘話と豪華声優陣の裏側
斉木楠雄というキャラクターは、アニメ界でも稀有な存在だ。劇中で実際に口を開いて喋る場面は極めて少なく、全編の9割以上が彼の「心の中の呟き(モノローグ)」で構成されている。しかもそのスピードは、通常のアニメ作品の数倍に達する過密さだ。
キャスティングの段階から、この常軌を逸したセリフ量を破綻させずに処理できるキャストは神谷浩史以外にいないと目されていた。音響監督や制作スタッフからの信頼は絶大だったが、神谷本人はアフレコ現場で毎回酸欠寸前になるほどの熱演を強いられたという。息継ぎの隙間すら与えられない爆速のツッコミと冷静沈着なトーンの同居。無口でありながら作品内で最も喋っているというパラドックスを成立させた演技は、声優界の第一線を走り続けるプロの真骨頂と言える。