ドクターイエロー引退の理由と真相|老朽化とN700S代替の全貌
SNSやネット掲示板などでは、ドクターイエロー引退に関していくつかの誤解や憶測が飛び交っています。本誌が取材を通じて確認した、世間で見落とされがちな3つの事実を整理します。
第1に、「JR東海が運行終了したら即座に二度と見られなくなる」という誤認です。前述の通り、JR西日本のT5編成はJR東海T4編成の引退後も山陽新幹線区間を中心に走行を継続しており、2027年頃までは検測車としての運用が予定されています。東西で引退のタイムラグがある点は、見落とされがちなポイントです。
第2に、「JR東日本の新幹線検測車も黄色なのか」という混同です。東海道・山陽新幹線はおなじみの黄色ですが、JR東日本・JR北海道の路線を走る総合試験車「E926形(愛称:East i / イースト・アイ)」は、白地に赤いラインを配した全く異なるデザインです。黄色い試験車が走るのは東海道・山陽新幹線(東京〜博多間)に限られた伝統であり、だからこそ「黄色いドクターイエロー」の消滅が特別な意味を持つのです。
第3に、「引退後の車両はすべて即座に解体・スクラップになるのか」という疑問です。鉄道遺産としての歴史的価値が極めて高いため、先頭車や一部測定設備については、名古屋市の「リニア・鉄道館」などへの静態保存が有力視されています。かつての0系ベースの922形が保存展示されているのと同様、将来的に博物館でその勇姿を間近に見学できる機会が用意される見通しです。