大谷翔平の通訳交代の真相|水原一平騒動から新通訳の経歴まで完全解説
水原氏の解雇直後、ドジャースが迅速に白羽の矢を立てた大谷翔平の新通訳が、当時球団のデータ分析マネージャーを務めていたウィル・アイアトン氏です。突発的な危機管理が求められる中で暫定的にサポートへ入った同氏でしたが、その卓越した実務能力と明るい人柄から、現在は公式会見やメディア対応における主軸通訳としてだけでなく、大谷選手のハイパフォーマンスを支える不可欠なブレーンとして確固たる地位を築いています。
ウィル・アイアトン氏の経歴は、MLBの通訳陣の中でも極めて異色です。1988年に東京都で日本人の父親とフィリピン系の母親のもとに生まれ、15歳でハワイへ移住。高校・大学時代は野球選手として頭角を現し、名門メンロー大学では打率.350を超える好成績を残しました。さらに、2012年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)予選ではフィリピン代表の選手としてプレーした実績を持っています。
大学卒業後、アイアトン氏は一度日本へ戻り、大手芸能プロダクションである吉本興業に入社してインターンやスポーツマネジメント関連の業務に携わりました。日米双方のエンターテインメントおよびビジネスの現場で培った対人交渉力とホスピタリティ精神は、この時代に培われたものです。その後、テキサス・レンジャーズの国際スカウト部門を経て、2016年にロサンゼルス・ドジャースへ移籍。かつてドジャースに所属した前田健太投手の専属通訳を務めました。
当時、クラブハウスで選手たちを盛り上げるために自ら身体を張った余興を披露し、チーム内から「ウィル・ザ・スリラー(Will the Thriller)」の愛称で親しまれたエピソードは広く知られています。前田投手の退団後も球団に残り、傘下マイナー球団の開発コーチを経て、メジャー屈指の先進性を誇るドジャースの編成部でドジャース データ分析担当(マネージャー・オブ・パフォーマンス・オペレーションズ)へと昇格。最先端のトラッキングデータやバイオメカニクスを解析し、選手や首脳陣へ戦術アドバイスを伝える中枢を担っていました。
つまり、現在のアイアトン氏は「英語が堪能なスタッフ」という従来の通訳像を超え、「セイバーメトリクスと現場感覚の双方に精通したデータサイエンティスト」として大谷選手を支えています。配球データや打球角度、対戦相手の傾向などを即座に共通言語でディスカッションできる相棒の存在は、大谷選手が打撃に専念し前人未到の記録を打ち立てる上で、極めて大きなアドバンテージとなっています。