なぜ大揺れは後から来る?地震のP波とS波の違いと仕組みを徹底解説

なぜ大揺れは後から来る?地震のP波とS波の違いと仕組みを徹底解説について重要なポイントを解説いたします。詳細な分析をお届けします。

インターネット上の防災議論やSNSでは、地震波に関して科学的に不正確な言説が散見されます。命を守る判断を誤らないために、3つの代表的な誤解を解消しておきます。

誤解1:「P波は揺れが小さいから被害を出さない」

一般的に主要動(S波)のほうが振幅が大きいため危険視されますが、浅い直下型地震におけるP波の上下動は強烈な破壊力を持ちます。鉛直方向への瞬間的な加速度が重力加速度(1G)を超えると、固定していない家具や家電、さらにはピアノや大型冷蔵庫までが床から跳ね上がり、凶器となって降り注ぎます。「初期微動=安全」という思い込みは極めて危険です。

誤解2:「直下型地震では緊急地震速報は役に立たない」

震源の直上エリア(いわゆるブラインドゾーン)では、警報の発令が大揺れの到達に間に合わない、あるいは揺れと同時になる物理的限界が存在します。しかし、だからといってシステムが無意味なわけではありません。震源から30km以上離れた周辺地域には貴重な数秒の猶予が生まれます。また、間に合わなかった地域でも「強い揺れの最中に警報音を認識することで、即座に倒壊や火災に対する警戒態勢へ意識を切り替えられる」という心理的減災効果が実証されています。

誤解3:「揺れが収まれば地震波の危険は去った」

体積波(P波・S波)が通過した後も、震源が巨大な場合は地表を這う長周期地震動(表面波)が遅れて長距離を移動してきます。硬い地盤では感じにくい揺れであっても、軟弱な平野部や超高層ビルの上層階では建物の固有周期と波の周期が一致(共振)し、主要動が去った後からビル全体がメトロノームのように激しく長時間揺れ続ける事象が発生します。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。