あなたに恋をしてみました」のドラマは何?月9『デート』の真相を徹底解説
『デート〜恋とはどんなものかしら〜』が放送から10年以上を経てもなお傑作と称される最大の理由は、卓越したキャラクター造形と脚本の強度にあります。
杏が演じる藪下依子(やぶした よりこ)は、東京大学大学院数理科学研究科を修了した国家公務員(マクロ経済動向予測の専門家)。人生のすべてを数値と効率で管理し、29歳を迎えて「結婚を契約業務」と割り切って結婚相談所に登録します。一方、長谷川博己演じる谷口巧(たにぐち たくみ)は、文学や映画・音楽に没頭し、母親の収入に依存して生きる無職の自称「高等遊民」。母親が高齢となったことで、自らの生活を寄生・維持させてくれる「経済力のある女性」を求めて婚活市場に現れます。
『リーガル・ハイ』や『コンフィデンスマンJP』で知られる脚本家・古沢良太は、一般的な恋愛ドラマにありがちな「運命の出会い」「自然な惹かれ合い」を一切排除。お互いに一切の恋愛感情を持たず、利害の一致だけで結婚というゴールを目指す2人のマシンガントークと論理のぶつかり合いを描きました。ロマンティシズムを徹底して解体しながら、結果として「人間同士が他者を受け入れることの本質」を浮き彫りにする構成は、放送界でも極めて高い評価を獲得しました。