江戸の「粋」はなぜ世界を揺るがすのか——創業200年超の日本橋老舗が2026年に仕掛ける「伝統×健康」和菓子革命の全貌
創業者の細田安兵衛が江戸・日本橋の水天宮前で屋台を引いたことから、すべての歴史は始まった。当時、贅沢品だった砂糖を使った飴は高嶺の花。しかし安兵衛は、独自の製法でガラスのように美しい高純度の飴を作り上げ、庶民の手の届く価格で提供した。三角の形状が梅干しに似ていたことから名付けられた「梅ぼ志飴」は、瞬く間に江戸っ子たちの間で爆発的な人気を博す。形はいびつでも、味は本物。この飾らない美学こそが、同社のDNAに刻まれた原点である。
時代が明治、大正、昭和、平成と移り変わっても、直火釜でじっくりと煮詰める伝統の製法は頑なに守られてきた。高純度のグラニュー糖と水飴を極限まで煮詰めることで生まれる独特の歯切れの良さと透明感。それは科学技術が発達した現代であっても、職人の目と耳、そして長年の勘がなければ決して再現できない奇跡の質感だ。