体をアルカリ性にする噂の真相!重曹・クエン酸の効果と医学的根拠
近年、手軽な健康法として「重曹(炭酸水素ナトリウム)水」や「クエン酸」の飲用が注目を集めています。これらには一定の薬理学的な作用がある一方で、万能の体質改善薬と誤認することには警鐘が鳴らされています。
まず重曹水についてですが、重曹は胃酸(強酸性の塩酸)を中和する制酸剤として古くから医薬品(炭酸水素ナトリウム)にも使われています。胃もたれや胸やけを一時的に和らげる作用や、尿酸値が高い患者の尿をアルカリ化して尿路結石を防ぐ治療に用いられることは事実です。しかし、重曹には多量のナトリウム(塩分)が含まれています。水に溶かして常飲すると知らず知らずのうちに塩分過多になり、高血圧や腎臓への負荷、心疾患のリスクを急上昇させる危険があります。
一方のクエン酸は、味覚としては強い酸味を持ちながらも、体内に入ると代謝回路(クエン酸回路・TCAサイクル)でエネルギー生成に使われ、最終的に二酸化炭素と水に分解されます。この代謝過程で生じた重炭酸イオンが尿をアルカリ側に導くため、食品分類上はアルカリ性を示します。クエン酸の疲労軽減効果は、グリコーゲンの早期回復やエネルギー産生サポートという生化学的反応によるものであり、体液そのものを書き換えているわけではありません。
また、家庭用整水器で生成されるアルカリイオン水についても、胃酸過多や消化不良の改善といった胃腸症状の緩和効果は厚生労働省管轄の医療機器認証などで認められているものの、「あらゆる病気を治す」「血液をアルカリにする」といった宣伝文句は誇大広告に当たります。