赤色の作り方と混色の真実!絵の具で作れない理由と黄金比【2026】
ネット上の情報では「マゼンタと黄色さえあれば、もうチューブの赤絵の具は一切買う必要がない」という極論が散見されます。しかし、この主張にはプロの画材研究者から見れば重大な盲点が存在します。
物理的な光学限界として、どんなに純度の高いマゼンタとイエローを混ぜても、最初から単一の鉱物・化学顔料で作られた「カドミウムレッド」や「ピロールレッド」の純粋な彩度・隠蔽力には敵いません。混色という行為そのものが、微小な波長の打ち消し合いを伴うため、単一顔料(Single Pigment)が反射する鮮烈なピークの高さには届かないのです。
さらに見過ごされがちなのが「耐光性(耐候性)」の差です。単色チューブの高級アクリル・油絵の具に含まれる赤顔料(PR254など)は、美術館で100年以上退色しない高い耐光堅牢度を持っています。一方で、混色で作った赤は、マゼンタ顔料とイエロー顔料の耐光性の違いにより、直射日光に長期間晒された際、片方の色素だけが先に褪色して経年で色味が変色してしまうリスクを孕んでいます。