なぜ銀座で本場シチリアの味?「カンティーナ シチリアーナ」徹底解剖
シチリア料理を単なる「イタリア料理の一部」と括ることはできない。それは幾重にも重なる歴史の地層そのものだ。北イタリアのバターや生クリームを多用する濃厚なスタイルとは対照的に、シチリアの食卓を支配するのは上質なオリーブオイル、野生のウイキョウ、松の実、レーズン、そして柑橘類の爽やかな酸味である。
看板メニューの一つである「イワシと野生ウイキョウのパスタ(Pasta con le sarde)」を口に運ぶと、青魚の脂の旨味にレーズンの甘みとウイキョウのスパイス感が絡み合い、口中で鮮烈な協奏曲を奏でる。アラブ支配時代に起源を持つこの独特の甘味と塩味の組み合わせこそ、島が歩んできた数千年の歴史の証左と言える。