なぜ平沢進の曲は中毒になるのか?パプリカ・ベルセルク神曲を徹底解説
平沢進のキャリアを語る上で欠かせないのが、日本を代表する二大クリエイターとの奇跡的な邂逅です。劇伴や主題歌の枠組みを超え、映像そのものの設計図となった楽曲群の背景には、深い相互リスペクトが存在していました。
今敏監督は生前、絵コンテを執筆する段階から平沢氏の楽曲を部屋でエンドレス再生し、そのリズムと音像に合わせてシーンのカット割りや演出テンポを決定していたことを公式インタビュー等で明かしています。映画『千年女優』のラストシーンを飾る「ロタティオン (LOTUS-2)」や、映画『パプリカ』のオープニングを彩る「白虎野の娘」では、極彩色の夢と現実が交錯する映像世界と、平沢氏の重層的なボーカルが驚異的な親和性を見せました。声のサンプリングを細かく切り刻み再構築した「パレード」の不気味かつ祝祭的な狂気は、アニメーション史に残る名場面として語り継がれています。
一方、漫画『ベルセルク』の作者・三浦建太郎氏もまた、執筆中の作業用BGMとしてP-MODELや平沢ソロを常時聴き込んでいた熱狂的ファンでした。1997年のTVアニメ化の際、三浦氏の強い希望により劇中歌「BERSERK -Forces-」が書き下ろされました。平沢氏自身が多重録音によって生み出した幾重もの怒号と凱歌、金属的なインダストリアルサウンドは、主人公ガッツの過酷な運命を音として具現化。劇場版『ベルセルク 黄金時代篇』の「Aria」や、2016年版アニメの「灰よ」に至るまで、平沢サウンドなくして『ベルセルク』の世界観は成立し得ないと言われるほどの絆を証明しました。