味の素の過去の事件とは?総会屋問題やハラール騒動の真相と現在
法的な事件とは別に、味の素というブランドが半世紀以上にわたり戦い続けてきたのが「うま味調味料(MSG=グルタミン酸ナトリウム)は有害である」という健康被害デマです。
噂の根源は、1968年にアメリカの著名な医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)』に掲載された一通の投書でした。「中華料理を食べた後に首の後ろの痺れや動悸、脱力感を覚えた」という内容から、MSGが原因と疑われ、「中華料理店症候群(チャイニーズ・レストラン・シンドローム)」という呼称で全米にパニックが広がりました。
しかし、その後の厳密な二重盲検比較試験や国際機関による検証の結果、MSGと身体症状の因果関係は科学的に完全に否定されています。
現在、MSGの安全性については以下の国際機関が公式に保証しています。
■ JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議):
MSGの一日摂取許容量(ADI)について、「毒性が極めて低いため数値を設定する必要がない(Not Specified)」と評価。
■ 米食品医薬品局(FDA):
食塩や砂糖と同様に、一般に安全と認められる食品物質「GRAS(Generally Recognized as Safe)」に分類。
■ 欧州食品安全機関(EFSA):
科学的データに基づき、食品添加物としての安全性を再確認。
味の素の成分であるグルタミン酸は、昆布やトマト、チーズ、さらには人間の母乳にも豊富に含まれる天然のアミノ酸と全く同一の分子構造です。科学的根拠を欠いた「化学調味料有害論」は、当時の東洋人に対する偏見や「化学=悪」という素朴な忌避感情が結びついた風評被害であったことが明らかになっています。