7日間の空白と組織の闇…未解決事件ロクヨンに隠された禁断の真実
元号が新しくなる直前の混乱期は、犯罪捜査において致命的な隙を生み出した。警察庁と地方県警のあいだに走る深刻な亀裂、そしてキャリア官僚主導の権力構造。元警察記者という異色の経歴を持つ横山秀夫は、この圧倒的なリアリティを背景に、警察機構の権力闘争と人間の業を描き出した。日本を代表する社会派ミステリーの金字塔として名高い本作は、従来の警察小説の枠組みを根底から覆したと言える。
警察という巨大組織の歪みは、いつの時代も権力の内側に潜んでいる。広報官・三上義信の目を通じて描かれるのは、単なる事件の真相解明ではない。大本営発表を強要する上層部と、事実を追うメディアとの苛烈な情報戦だ。犯人捜しにとどまらない重厚なドラマ性が、昭和という時代の終焉と重なり合い、読む者に重厚な衝撃を与え続ける。