映画『ちはやふる』上白石萌音の大江奏役が神キャストと評された真相
瑞沢高校かるた部のメインキャストは、厳格なオーディションによって選出されました。小泉徳宏監督をはじめとする制作陣の証言によると、上白石萌音のオーディション秘話として最も印象的なのは、彼女が部屋に入ってきた瞬間に漂わせた独特の空気感でした。原作者・末次由紀が描く「大江奏の柔らかさと芯の強さ」をそのまま体現したような佇まいに、審査員一同が「彼女しかいない」と直感したと当時の公式パンフレットやインタビューで明かされています。
撮影に先駆けて行われたかるた練習合宿では、主演の綾瀬千早役を務めた広瀬すずと上白石萌音の共演を軸に、野村周平(真島太一役)、矢本悠馬(西田優征役)、森永悠希(駒野勉役)、そして新田真剣佑(綿谷新役)らが本気で競技かるたの特訓に励みました。指先から血が滲み、畳に擦れる痛みに耐えながら畳に向かい合った日々が、劇中の「瑞沢高校かるた部」の絆そのものへと昇華していったのです。
広瀬すずが後のトーク番組で「萌音ちゃんが現場にいてくれるだけで、部室の空気が温かくなり、全員が一つになれた」と振り返る通り、上白石萌音は演技を超えてチーム全体の精神的オアシスとしての役割を果たしていました。