京都府立医大の精神保健指定医取り消し|不正の全貌と現在体制
事態が大きく動いたのは、厚生労働省が全国の大学病院や指定医療機関を対象に実施した大規模調査の結果が公表された局面でした。京都府立医科大学附属病院の精神科において、若手医師が精神保健指定医の資格を申請する際、実質的に自身が主治医として治療を行っていない患者の症例レポートを提出していた事実が次々と明らかになったのです。
精神保健指定医は、精神保健福祉法に基づき、本人の同意に基づかない「医療保護入院」の要否や、行動制限(隔離や身体拘束)の判断を下す極めて重い権限を持ちます。患者の人権を直接左右する立場であるにもかかわらず、資格取得の要件である「多様な症例の診断・治療実績」が書類上で偽造されていました。
調査の結果、申請を行った若手医師だけでなく、内容を承認して署名・押印を行っていた指導医や教室幹部の関与が浮き彫りになり、京都府立医大精神科の教授・指導医を含む複数名が指定医取り消し処分の対象となる異例の事態へ発展しました。