「芸術は爆発だ」の真意と未公開資料が解き明かす岡本太郎の全貌
東京都港区南青山にたたずむ岡本太郎記念館は、かつて彼が50年近くにわたり実際に暮らし、筆を振るったアトリエ兼住居である。庭に足を踏み入れれば、鬱蒼とした緑の中に異形の彫刻群が身を潜め、訪れる者を異世界へと誘う。この場所を守り抜き、彼の思想を後世へ伝える基盤を築いたのも岡本敏子の強い信念があったからこそだ。
現在、記念館で順次解禁されている肉筆メモや対話録には、作品制作の裏で重ねられた思考の格闘が克明に記されている。完成された作品そのもの以上に、作品に至る葛藤のプロセスにこそ人間の生が宿る――そんな彼の生々しい息遣いが、アトリエの絵の具の匂いとともに今なお漂っている。