樋口季一郎の真実|ユダヤ人救出と北海道を守った決断の裏側

樋口季一郎の真実|ユダヤ人救出と北海道を守った決断の裏側の見逃せないポイントを一挙に解説しました。

樋口季一郎のもう一つの重大な功績は、戦後日本が朝鮮半島や東西ドイツのように分断国家となる危機を食い止めた「北海道を救った男」としての軍事防衛です。

1945年8月15日、ポツダム宣言受諾の玉音放送が流れた直後、ソ連の最高指導者ヨシフ・スターリンは極東戦線に対し、千島列島全域および「留萌・釧路を結ぶ線以北の北海道」を電撃占領する極秘命令を下しました。8月17日深夜から18日未明にかけて、ソ連軍第2極東戦線部隊が千島列島北端の占守島に奇襲上陸を開始します。

当時、札幌の第5方面軍司令官として北部防衛の指揮を執っていた樋口は、理不尽な侵略に対して即座に電令を発出しました。

「断固反撃に転じ、侵攻軍を撃破せよ」

現場を守る第91師団(堤不夾貴中将指揮)の守備隊および戦車第11連隊(池田末男大佐指揮)は、停戦準備中であったにもかかわらず猛烈な迎撃戦を展開。ソ連軍に甚大な被害を与え、その侵攻スケジュールを完全に頓挫させました。

この占守島における頑強な抵抗によってソ連軍の進撃は数日間足止めされ、その間にアメリカ軍の極東展開が進展。アメリカ大統領ハリー・トルーマンはスターリンからの「北海道分割占領」要求を明確に拒否しました。樋口の下した自衛戦闘命令がなければ、現在の北海道北半部はソ連の軍事管理下に置かれ、日本は南北分断の悲劇に見舞われていた可能性が軍事史研究者によって強く指摘されています。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。