【2026年現地ルポ】香川・高松のモダン温泉街。建築美と極上ぬめり湯が紡ぐ「仏生山」の新たな潮流を追う
仏生山温泉の館内には、一般的な温泉施設によくある大広間のカラオケや賑やかなお土産売り場は存在しない。代わりに広い縁側のような座敷スペースが広がり、壁面には古本やZINE、厳選された書籍がずらりと並ぶ「50m書店」が併設されている。
湯上がりに冷えたドリンクを手に取り、文庫本を広げて畳の上に横たわる。周囲の客もそれぞれ思い思いの時間を静かに過ごしており、館内を満たすのはページをめくる音と湯の手繰る音だけだ。観光地の喧騒とは無縁の、どこか静寂な図書館のような空気が流れている。何もしない贅沢を心ゆくまで享受できるこの環境こそが、リピーターを惹きつけて離さない。