【2026年最新解説】なぜ今、現代人の心が惹かれるのか?「いとをかし」の本質と正しく味わう古語の奥深さ
日本の古典美学を語る上で避けて通れないのが、「いとをかし」と「もののあはれ」の対比です。よく『源氏物語』の紫式部は「あはれ」の文学、『枕草子』の清少納言は「をかし」の文学と称されます。
「あはれ」がじんわりと心にしみる切なさや儚さ、感情的な没入を伴う湿り気のある情緒だとすれば、「をかし」はもっとドライで知性的。対象を一歩引いた場所から客観的に観察し、「へえ、面白いね」「センスがいいね」と面白がる知的な遊び心です。清少納言はこの客観的な視点というイノベーションを、平安の文壇に持ち込んだ先駆者でした。