【20年目の真実】昭和・平成の芸能史を揺るがした夜——消えた名女優の軌跡と、歌舞伎役者が歩んだ波乱の歳月
2000年代初頭の日本映画界において、岡本綾の存在感は際立っていた。NHK連続テレビ小説『オードリー』のヒロインで見せた力強い演技力と、どこか儚げでありながら芯のある表情。スクリーンに現れるだけで画面の空気が変わるような稀有な佇まいは、数多くの監督やプロデューサーを魅了してやまなかった。
一方の中村獅童もまた、歌舞伎の型にはまらない破格のスケール感で現代劇へ進出。映画『ピンポン』での鮮烈な強烈さや、一大ブームを巻き起こした『いま、会いにいきます』でのナイーブな名演など、伝統芸能の枠組みを自ら押し広げる時代の寵児として君臨していた。