介護士と看護師の違いとは?年収格差と医療行為の境界線を徹底解説

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介護士と看護師の根本的な違いは、根拠となる法律とそれに伴う「独占業務」の性質にあります。看護師は保健師助産師看護師法第5条に基づき、「傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助」を行う国家資格者です。一方、介護職(介護福祉士)は社会福祉士及び介護福祉士法に基づき、「身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき入浴、排せつ、食事その他の介護」を行う専門職と定義されています。

日々の現場で最もシビアな判断が求められるのが医療行為の境界線です。原則として、医師法第17条により医師以外の医行為は禁止されており、看護師は「診療の補助」として注射、点滴、経管栄養の管理、褥瘡(床ずれ)の処置、導尿カテーテルの交換などを医師の指示のもとで実施できます。対して介護士は、これらの医療処置に直接関わることは法律で禁じられています。

ただし、法改正によって一定の条件下で介護職にも認められた例外があります。それが喀痰吸引等業務です。所定の研修(実地研修を含む)を修了し認定を受けた介護職員に限り、医師の指示と看護師との連携体制のもと、口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部の喀痰吸引や、胃ろう・腸ろう・経鼻経管栄養の注入が認められています。しかし、これも対象者や実施手技が厳密に限定されており、無制限に行えるわけではありません。

また、バイタルサイン測定の業務範囲にも明確な線引きがあります。厚生労働省の通知により、水銀血圧計以外の自動血圧計による測定や、耳式体温計・電子体温計による検温、パルスオキシメーターを用いた動脈血酸素飽和度の測定などは、患者の状態が安定している場合に限り「医行為ではない」と整理されています。しかし、得られた測定数値から「病状の悪化や異変の有無を医学的にアセスメント(評価・判断)する」行為は看護師の領域であり、介護士は異常値を即座に医療職へエスカレーションする役割を担います。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。