「寂しい」と「淋しい」の違いは?公用文の基準と使い分けの決定打
「寂しい」と「淋しい」の使い分けを理解するうえで、最も揺るぎない基準となるのが文化庁の指針まとめに基づく「常用漢字表」の存在です。結論から言うと、国が定めた公式な用字基準において「さびしい」に対応する漢字は「寂しい」しか存在しません。
文部科学省の公用文作成基準や新聞・放送などのマスコミ業界(日本新聞協会用語懇談会)の用字用語集では、常用漢字表に掲載されている用例に従うことが厳格に定められています。「寂」という字は小学校で習う教育漢字ではありませんが、中学校で習う常用漢字として「さび(しい)」「さび(れる)」「ジャク」「セキ」の読みが公式に認められています。
一方で「淋」は、常用漢字表に含まれない表外漢字です。人名用漢字には登録されているため子どもの名付けには使えますが、公的な文書、行政手続きの書類、学校の教科書、新聞記事の本文などでは原則として使用できません。もし報道や公用文で「淋しい」という感情を表現したい場合は、必ず「寂しい」に置き換えるか、あるいは平仮名で「さびしい」と表記するルールが徹底されています。