大人の愛着障害を克服する治療法|生きづらさを手放す回復への全手順
医療機関を受診すべきか迷った際、知っておくべき重要な事実があります。それは、国際的な診断基準(ICD-11やDSM-5)において、幼少期の反応性愛着障害などは明記されているものの、「大人の愛着障害」自体は単独の精神疾患名として保険適用される診断名ではないという点です。
そのため、愛着障害で精神科や病院を受診する場合、主にうつ病、適応障害、全般性不安障害、境界性パーソナリティ障害、不眠症といった「二次的に生じている精神症状」に対して保険診療が行われます。
ここで押さえておきたいのが、大人の愛着障害における薬物療法の役割と限界です。投薬によって「人への不信感」や「愛着スタイルの偏り」そのものを直接治すことはできません。抗うつ薬(SSRIなど)や抗不安薬、気分安定薬は、激しい情緒不安定や不眠、パニック発作といった苦痛な症状を一時的に沈静化させ、後述する心理療法や日常生活に取り組むための「心のエネルギーを回復させる補助ツール」として位置づけられます。
日常生活が破綻するほどの強い希死念慮や重度の抑うつ状態がある場合は、まず精神科・心療内科で薬物療法による土台作りを行い、症状が安定した段階で心理カウンセリングや専門的な心理療法へステップを進めるのが標準的な治療手順となります。